「PCの中にあるだけ」は、意外と危ない
バイブコーディングでは、AIと相談しながらアプリのファイルを何度も書き換えます。そのファイルがパソコンの中にしかなければ、故障や紛失、誤操作で開けなくなることがあります。AIとのチャット履歴が残っていても、完成したファイル一式が戻せるとは限りません。
そこで使えるのがGitHubです。アプリのファイルをインターネット上の自分の保管場所に送っておけば、元のPCが使えなくなったときにも、別のPCから取り出せます。
Gitは「変更の記録を作る仕組み」、GitHubは「その記録をインターネット上に置くサービス」です。PCの中で記録しただけでは、PC故障への備えになりません。GitHubへ送るところまで済ませて、はじめて別の場所から取り出せます。
「保存したつもり」でも、未コミットだと届かない
作業フォルダのファイルを変更しても、Gitの記録に「コミット」しないと、その時点の変更は履歴に残りません。さらにコミットしただけではPCの中にあるだけで、GitHubへ「プッシュ」して初めてオンラインの保管場所に届きます。
未コミットの変更がたくさんあると、どこまでが意図した作業で、どれが最新なのか見分けにくくなります。AIに続きを頼むときも、変更の全体像が分かりにくいと、直す場所を取り違えたり、必要な変更を誤って消したりする危険が高まります。節目ごとに変更を確認して、意味の分かる記録を作っておくと、人にもAIにも状況を伝えやすくなります。
GitHubに置けば、誰でも見られるの?
いいえ。GitHubでは、他の人に見える「公開」と、自分や招待した人だけが見られる「非公開」を選べます。自分用の保管場所として始めるなら、まず非公開(Private)を選びましょう。公開リポジトリはインターネット上の誰でも見られます。
大切なのは、アプリのファイルをGitHubに作った保管場所へ実際に送ることです。AIに「GitHubに保存して」と頼むと、ファイルの確認、秘密情報の除外、アップロードまで手伝ってもらえます。
AIに、このプロンプトを送るだけ
アプリを作ったフォルダを開いた状態で、そこで作業できるAIに次の文章を送ってください。PCの中を直接操作できないAIの場合は、画面の指示に沿って進めましょう。
このフォルダにある、私がAIと作ったアプリをGitHubに保存して、PCが壊れても別のPCから取り出せるようにしてください。初心者なので、必要な作業は順番に説明しながら進めてください。
作業を始める前に、Gitがすでに設定されているか確認し、git statusと変更内容を見てください。未コミットの変更、未追跡の新しいファイル、削除されたファイルを確認し、アプリに必要なものを勝手に消したり、reset・clean・破棄・上書きしたりしないでください。何のファイルか分からない、または私の意図が分からない変更があれば、いったん止めて質問してください。
GitHubに送るファイルと送らないファイルを分け、送るものは一覧にして説明してください。すでにあるコミット履歴に秘密情報が含まれていないかも確認してください。まずGitHubの保管場所は「非公開(Private)」にしてください。
.env、APIキー、パスワード、個人情報、顧客情報、データベース、アップロード画像などのデータ、巨大な生成物や一時ファイルは、確認なしにアップロードしないでください。秘密情報が含まれていそうなファイルを見つけたら、送信を止めて、ファイル名と理由を私に説明してください。秘密情報や個人情報を公開・アップロードしないでください。
GitHubへのログインや認証が必要なときは、公式のログイン画面を開く方法を案内してください。パスワードや認証コード、アクセストークンを私に聞いたり、チャットに書かせたりしないでください。
安全だと確認できたアプリのコードと、意図が確認できた未コミットの変更は、変更内容が分かるコミットとして記録してください。秘密情報や、正体・用途が分からないファイルがあれば送信せずに止めてください。コミットした内容をGitHubの非公開リポジトリへプッシュし、GitHub上に届いたことまで確認してください。アプリの動作や本番環境の設定は変更しないでください。
最後に、GitHub上で非公開になっていること、保存したファイルと保存できなかったもの、別のPCで取り出す方法、次に更新を保存するときの頼み方を、初心者向けに短く教えてください。
ここを押さえれば、ひとまず安心
- 非公開で始める:知らない人にコードを見られない設定を選びます。
- コミットしてプッシュ:未コミットの変更は履歴に残らず、コミットだけでもPCの外には届きません。
- 秘密の情報を送らない:APIキー、パスワード、個人情報はコードに混ぜず、GitHubにもアップロードしないようにします。
- アカウントを守る:GitHubのパスワードを使い回さず、二要素認証も設定しましょう。
作ったあとは、ときどき「保存して」と頼もう
最初にGitHubへ送ったあとは、アプリを更新したときにも、最新の変更をGitHubへ送らないと保管場所は古いままです。「変更内容を確認して、必要な変更をコミットし、GitHubの非公開リポジトリへプッシュして」とAIに頼んでみてください。分からない変更が残っているときは、先に説明してもらい、勝手に消さないよう伝えましょう。
PCの故障を完全に防ぐことはできなくても、作品をPC一台だけに閉じ込めておく必要はありません。大事なアプリを作ったら、まずAIと一緒にGitHubへ避難させてみましょう。